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病院の医療事務について
永田 信三
1
1全国印刷工業健康保険組合
pp.747-752
発行日 1960年10月1日
Published Date 1960/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201718
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I.病院業務
病院の使命は,患者を収容し,これに治療を加えることにあるから,業務の内容は,医療の提供がその全部である。従つて院内のあらゆる職場の全機能は悉く医療を焦点として集中することになる。勿論各職場の業務と医療との関係は,直接的と間接的との差はあるであろう。しかし医療に直接関係ある業務が重要で,間接関係しかない業務は重要でないと断定するわけには行かない。
ところが実際上病院の内部に立ち入つて見ると,直接医療面に携わる医師や看護婦などは重要視せられ,待遇も可なり良いが,医療に間接的な関係しか有たない事務とか現場職員は,とかく冷遇され勝ちな傾向がある。というのは病院のトップクラスは殆んどが医師であり,そして従来の医師達は,医療関係者といえば,医師と看護婦だけとの先入主観に支配され,その他の職種の存在は認めなかつたのである。事実従前の自由診療時代は,小規模の病院ならば,医師と看護婦だけで,充分運営できたのである。
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