座談会
医療はいかにあるべきか—保険者・被保険者と語る
守屋 博
1
,
佐藤 徳
2
,
塩沢 総一
3
,
橋本 寬敏
4
,
神崎 三益
5
,
高橋 敏雄
6
,
吉田 幸雄
7
1国立東京第一病院
2全日本海員組合厚生部
3東京警察病院
4聖路加国際病院
5武蔵野赤十字病院
6健康保険組合連合会
7厚生省病院管理研修所
pp.4-17
発行日 1960年1月1日
Published Date 1960/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201599
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医療制度は医師だけで決めるべきでない
守屋 きようは医療制度という問題で色々お話を伺うのですが,従来この「病院」は,どうも内輪の意見が多い。本来医療制度の主人は患者でなければならぬわけなのです。医者だけが医療制度を考えていくというのは非常に間違いである。こういう意味で,本日,被保険者代表,あるいは保険者代表の方に来てもらつたのは非常におもしろい企劃だと思つているのです。本来こういうような話合いはもつと公けの席で堂々と大いに議論されるべきものなのですが,どうもいろんな事情でそれができぬのです。せめて雑誌の上ででも忌憚なき意見を述べられたい。とかくお医者さんの中には,保険者,被保険者は何でも安くすればいいというふうに努力をしていられるというふうな先入主を持つて聞いている人がいるわけなのですね。そうではなくて,いかに合理化するかということについてきつと努力されているのだと私は理解しています。もつとそういう点をはつきりと組織的に話していただいて,実際のお考えを,医者あるいは病院管理者の方によく徹底していただくことが必要なのじやないかと思います。そういう意味で,佐藤さん……(笑声)
佐藤 私たちあまりよくわからないのですけれども,患者としては,病気になつた時,割合負担が軽くて,そして早くなおしてもらいたいという希望なのです。それで近くですから開業医の方のところに行つて見ていただく。
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