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病院会計における簡易な経営診断法の研究
大門 繁雄
pp.531-536
発行日 1957年8月1日
Published Date 1957/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201259
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病院における事務管理が合理的であるかどうかを,判断する方法を広義に考えれば,予定計画の適否,その実行,庶務,会計,医事,用度,営繕等が適切に合理化されて居るかを検討し判断して理想の線を定める方法と思われるが,私は独立採算を強く要望せられる現況に於て,会計を主とした収支の均衡を保つような行き方を研究し,合せてその経路は我が国医療会計の標準に対し,どんな歩みを辿つて居るか等を研究し,進歩改善の資に致したいと存じ,その資料となる諸表を仕組んで見ました。勿論各病院でも本問題については,夫々の立場でお研究になり色々の諸表に依り調査研究の事と存じますが,私共病院組織は特種法人で連合会の指導下にあり,特殊の整理科目等もありますが,幾分でも参考になる点があれば幸いと存じます。
年度の中間には若干の黒字と予定して居たが,来診患者は予定通りであつたにも不拘,反対に決算間近になつて精算して見ると赤字となる事が,判明しても逆つて事業は出来ません。これ等は計画性がないか,あつても実行が伴わなかつたか,予想した数に誤りがあつたので,実数の把握をしなかつたからであります。数は運営の一分子であるから常に実数の把握を必要とし,之れが為には日々に月々に,感でなく,推量でなく又昔の大幅帳でない記録が出来る仕組の諸表が必要で,この記録が集計,累計されていつでも現況が判明する様な組織でなければなりません。
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