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米国イリノイ州エルヂン市のVoluntary HospitalsとそのMedical Staffの在り方の研究(第1報)
守屋 博
,
小林 玄一
pp.414-422
発行日 1957年7月1日
Published Date 1957/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201244
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本稿は守屋の提案に依り発足したもので,米国の典型病院ともいうべきVoluntary hospitalsと,そのMedical staff (病院医師)の在り方を実例を通じて究明公開し,このような病院の日本への適不適と,移殖の可能性等に就き皆さんに御熟考を願いたいというのがその本旨である。方法としては質疑応答によるケイス・スタデイ方式が採られ,すなわち守屋が日本の病院人の立場から各種の質問を発し,これに対して小林が現地病院の実状を調査報告して米国Voluntary hos-pitalsの実体を特にその病院医師との関係面から露わにして行こうという趣向なのである。
実例としてエルヂン市の病院が選ばれたのは小林がそこの病院に勤務していて実状を調べるのに便なためである。後程詳説するであろうように,当市は米国の都市としても比較的裕かな街でありこのような場所の病院の在り方がそのまま日本のどの都市へも移殖可能なものであろうなどとは思わないが,ただその人口が日本にすると丁度鎌倉市位のもので米国に於いても中等位の街であるということや,実例にして行こうという2つの病院が150ベツトと200ベツトという恰好なサイズであるという事情から,アメリカの病院の実状を知る上にも日本へのその移殖の問題を考えて見る上にも好適の1つではないかと思う。
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