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米国の医療社会事業を見て
山本 武夫
,
吉田 文
pp.21-24
発行日 1955年12月1日
Published Date 1955/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201036
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ここに掲載した厚生省保健所課の中尾技官のお話は,本年5月19日東京地区国立施設医療社会事業研究会に於ての講演の概略である。私たちの研究会は,できてまもないので一般にまだ知られていないとおもうが,毎月1回会合を催している。私たち会員だけのDiscussionで終ることもあるが,特に講師にきていただいて話をきくこともある。これまで講師をわずらわしたものは第3回研究会の土井正徳博士の「ケース・ワークに必要な精神衞生の智識」,第5回研究会の労働科学研究所員藤本武氏の「最低生活費の研究」,それとこんどの第6回研究会の中尾技官のお話とである。
ここでついでに私たちの研究会を一寸紹介したい。医療社会事業は医学に比べれば,日本へ入つて来たのは比較にならないほどおそい。しかし,これは日本ばかりではない,この仕事自身がまだ歴史の浅い仕事で,その点からみれば,この仕事の日本への輸入は必ずしも遅れているとは言えないと思う。それにもかかわらず日本ではちつとも発展しないで,一部の人々にこの仕事が知られているに止まつて,日本の医療活動の上で重大な役割を果すというところへまだ行つていない。政府もこの仕事にまだ本腰になつてくれないし,この仕事の周辺のPersonnelも,この仕事の必要性をどれだけ認めてくれているか心細いと言おなければならない。その第一の原因は私たちsocial workerの質の問題だと思う。
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