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退院患者統計から見た国立温泉病院
伊藤 久次
1
1国立伊東温泉病院
pp.23-29
発行日 1955年9月1日
Published Date 1955/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200999
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私は1昨年"病院"誌上で,「温泉病院」とは単に温泉地にある病院ではなくて,「温泉科」或は「温泉治療科」というべき診療科名は現行医療法では認められていないが,温泉場数933,源泉数6305と称する温泉国日本では必ずや将来設定されるであろうと思われる「温泉」に関する診療科名を病院名に冠したものであつて,温泉地にあつて,温泉治療専門家が居り,温泉療法を治療の主体とした病院を呼称したいと唱え,温泉病院運営上経験した若干の問題について述べた。今日,温泉病院として認められる代表的のものを挙げると,
(登別)北大温泉研究所,国立登別病院,登別整形外科病院。(鳴子)東北大鳴子分院,国立鳴子病院。(飯坂)県立飯坂病院。(塩原)国立塩原温泉病院,公立塩原温泉病院。(草津)群馬大学草津今院。(箱根湯本)国立箱根療養所。(湯河原)湯河原整形外科病院。(熱海)国立熱海病院。(月ヶ瀬)慶応大学月ヶ瀬温泉研究所。(伊東)国立伊東温泉病院。(上山田)国立長野病院。(白浜)国立白浜温泉病院。(山中)国立山中病院。(三朝)岡山大学温泉研究所。(玉造)玉造整形外科病院。(嬉野)国立嬉野病院。(別府)九州大学温泉研究所,国立別府病院。(霧島)鹿児島大学温泉研究所。 等があるが,大学関係のものは特に研究に重点を置き,整形外科病院では整形外科手術療法を主として温泉療法,物理療法を併用し義肢装着訓練等にも温泉を効果的に利用している。
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