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診療事務の能率化の研究—伝票による料金算定法
加倉井 駿一
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1厚生省医務局国立療養所課
pp.17-27
発行日 1953年7月1日
Published Date 1953/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200669
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まえがき
現在社会保険関係の医療報酬は社会保険診療報酬点数表に記載されている診療行為及びその点数によつて請求し,一般診療を社会保険関係の医療報酬に大体の基準を置いて考えられている。薬品をいくら使用しても又使用しなくても幾許というような概算で請求する方法でなく,細分された行為を一つ一つ羅列しなければならないので,一つ一つの診療行為をすべて料金算定に便利なように記帳して置かなければならない。そのために料金を請求する時は,医療の行われた部門から,これを請求する部門へ連絡をとり,これを所定の形式の請求書として基金等へ請求する。従つて診療行為の行われた部門から,請求事務を行う部門への連絡方法が問題となるのである。
小規模な医院等に於ては診療,記録,請求が医師一人によつて行われて居り又一人でも行い得るのが現状でもある。そしてこれは医院等にあつては業務が主として外来患者の診療であるということに原因する。日本の病院の過去の成り立ちを考えると,この基本的な医院の業務体系が単に水増し的に増大しただけであるので,大規模の病院にも残存する場合が多く,病院としての企業の組織体系というものが分析されて居ないし,特にこの料金算定事務の体系が確立されていないのが現状である。
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