--------------------
編集後記
小西
pp.55-56
発行日 1952年9月1日
Published Date 1952/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200537
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
三伏の候,今夏は梅雨あけが遲く急に盛夏が訪れたので,一入暑さを感ずる。寒暑の差が激しい我が國では,暑いにつけ寒いにつけ病院は悩みが多い。患者も醫者も看護婦も炊事夫も,これには尠からず悩まされる。防寒設備のある病院は,それでも少くはないが,防暑即ち冷房設備を備えた病院は先づ稀であろう。歐米では,暖房冷房は病院としての常識らしいが,我が國では百貨店や映畫館にはあつても病院にはない。資力の問題としてあつさり片ずけられてよいものであううか。
こんな矛盾が,餘り世論の問題にならないということは,考えてみると不思議なことである。東洋人の締めに由來するものなのだろうか。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.