第2回病院學會特別講演
諸外國に於ける社會保險診療報酬
內野 仙一郞
1
1厚生省保險局庶務課
pp.2-9
発行日 1952年9月1日
Published Date 1952/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200527
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昨年から本年の初めにかけまして社會保險診療報酬の關係で保險者側——保險者側と申しますのは健康保險で政府と組合と兩方ございますが——と醫業家團體とでも申しますか,醫業家の方々との間に,診療報酬の引上問題に絡みまして相當の對立があつたわけであります。近頃の流行語で申せばピン・アツプと申します。これは何も日本だけに起つたものではないのでありまして,いままでも,あちこちの國々で紛爭がありました。世界社會保障協會というのがございます。ここの會議議題が最近わが國にも屆きました。それによりますと「保險者と醫業家團體との關係」というのが主題になつておりまして,來年の夏頃會議が開かれることになつております。わが國からも誰かゆくことになつておるらしいのでありますが,この趣意書の中におきましても「現在健康の保險制度を持つている諸國ではこう云つた紛爭が非常に屡々起つている」ということが謳つてあります。また,「これは保險者にとつても極めて困難な問題ではあるけれども研究調査することによつて何等かの共通的な妥決點と申しますか,圓滑に運營するための會議がなされなければならない」というようなことも謳つてございます。兩者間の紛爭が決して珍らしいことでないという例は,只今から約12,3年ばかり前のことでございますが,1940年當時イギリスに相當大きい紛爭が起きたことがございます。
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