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賣店經營について—主として療養所における
中村 潤三
1,2
1厚生省国立療養所
2厚生
pp.27-30
発行日 1950年9月1日
Published Date 1950/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200201
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病院に入院している患者達にとつて,病院は治療の場所であると共に社会から隔絶して安んじて療養に専念できる,近代的なホテルでなければならないことは,今更疑問の余地のない事実である。殊に結核性疾患の如き,特殊疾患にあつては,多くの場合病気が年をもつて時間の単位としなければならない程長期であるだけに,それは更に一歩前進して,生活の本拠でさえも有り得る。それだけに,もし病院がその機能を十分に発揮しようとするならば,たゞちに医療内容の向上や,医療技術者の増員を計るばかりでなしに,少くとも日常生活の便宜上からも,日用品や書籍類を手軽に入手し得るような施設が設けられて然るべきであるし,更には理髪店や,図書室や,家族その他の面会人のための喫茶室や.或いは無集配郵便局,さては病院で行えなければ.洗濯のための施設なども,当然考慮に入れなければならなくなつて来る。しかも今日の病院の実質からすれば,一部の病院では副食のための食料品類に対しても,全く無関心では有り得ないであろう。しかしながら,病院内におけるこの種の施設を経営するためには,自ら一般の営利企業とは異る性格が加味されなければ,真にその機能を全うすることは難しい,何故なら.それらの施設が1個の営利機関として運営されるならば.患者は如何に医師の指示に従つて安静を義務づけられても,
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