連載 リレーエッセイ 医療の現場から
教育力のUPで魅力ある地域病院に
高村 昭輝
1,2
1三重大学 伊賀地域医療学講座
2名張市立病院 総合診療所
pp.577
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102825
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日本は歴史的に総合診療医・家庭医と呼ばれる医師が非常に少ない国ですが,国際的に見ると地域医療を担う中心は総合診療医・家庭医です.専門治療ができる病院に臓器別専門医を集約し,地域では総合診療医・家庭医が日常の健康問題の解決に当たり,専門診療が必要な患者さんを適切な時期に紹介することで医療経済的にも患者さんの動線としても効率化が可能となっています.これらのシステムは臓器別専門医へのアクセスが不便な,たとえば国土が広大であったり,交通網が発展していなかったりした場合には非常に効果的です.
幸い(?)日本は国土も狭く,人口密度も高いことから都市部以外でも臓器別専門医が存在し,これまで地域の健康水準を高い状態で保つことができていました.そこには大学が医師を地域に派遣していたということも大きく寄与したと言えるでしょう.しかし,少子高齢化が日本の社会でも問題になるに従い,特に人口減少地域では高齢化が顕著になり,必要な医療量が増える一方で臓器別専門医を配置し続けることが効率的ではなくなってきました.
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