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書評 類まれな,近現代医学の歴史教科書としても優れた書―泉 孝英(編)『日本近現代医学人名事典【1868-2011】』
早石 修
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1大阪バイオサイエンス研究所
pp.563
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102569
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本書は,1868(明治元)年3月に明治政府が欧米医学を公式に採用して以来,2011(平成23)年末までに物故された医療関係者で,特にわが国の医学・医療の発展に貢献された3762人を選んで,物語風に記録されたユニークな人名事典であります.何分にも膨大な内容であり,私自身,生化学という限られた基礎医学が専攻分野なので,医学・医療全体の問題を議論したり,評価することには必ずしも適任ではありません.それでもまず本書を通読して,最も重要な“人選”が極めて公正で妥当であるという印象を受けました.
次に個々の記載について,個人的に親しかった方々について詳しく調べました.いずれも概ね正確な情報に基づいており,しかも専門的な記述以外に本人の性格,趣味,交際,家族など私的な紹介も多く,読物としても興味深いものでした.以下,幾人かを収載人物の例として挙げます(敬称略).
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