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書評 事典としての有用性を超えた,読み応えのある書―泉 孝英(編)『日本近現代医学人名事典【1868-2011】』
猪飼 周平
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1一橋大学大学院 社会学研究科
pp.290
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102498
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本書は,呼吸器内科を専門とする医学者が14年にわたり,明治期以降日本の近代医学・医療の発展に貢献した3762名(物故者)の履歴を調べあげた成果である.評者のように,明治期以降の医業関係誌を参照する機会の多い者にとっては,このように便利かつ確度の高いレファレンスが完成したことは,大変喜ばしいことであり,そのありがたみは今後随所で感じられることになるであろう.編者の長年のご苦労に感謝したい.
とはいえ,本書を単に事典として理解するとすれば,書評の対象とする必要はないかもしれない.そこで以下では,本書を約800ページの読物と解してその意義を考えてみたい.
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