連載 リレーエッセイ 医療の現場から
ホースセラピーと出会って
齊藤 純子
1
1サイトウ乗馬苑
pp.159
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102465
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ホースセラピーと出会って,もう15年が過ぎただろうか? ある日,東京から弁護士が訪ねてきて,「障害のある子たちが乗れる,安全な馬をつくってください」と依頼された.それまで夫と私は競馬界に長年いて,より速く走ることだけを馬に教えてきた.障害者乗馬というものがあることすら知らずにいたわけだが,現役を引退した馬にとって,これは第2の人生だ.私たちも同じ第2の人生を,馬と共に歩んでいこうと決めた.
競走馬として生まれた馬を,障害者が安全に乗れるようにするのは大変なことだ.まずは走ることを我慢し,ただひたすら歩くことを教えた.そして1時間でも2時間でも,じっと同じところに立ち,狭い場所で辛抱する我慢強さを教え続けた.
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