特集 病院における歯科
病院における歯科の役割
大野 友久
1
1社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院 リハビリテーション科歯科
キーワード:
病院歯科
,
チーム医療
,
摂食・嚥下障害
,
緩和ケア
,
口腔ケア
Keyword:
病院歯科
,
チーム医療
,
摂食・嚥下障害
,
緩和ケア
,
口腔ケア
pp.797-801
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102373
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「病院の歯科」というと,真っ先に思いつくのが口腔外科であろう.口腔外科は,主に顎口腔領域の外科処置を実施する科である.具体的な処置内容としては,難しい抜歯や顎骨などを扱う口腔内の外科処置,あるいは頭頸部腫瘍への対応などが挙げられる.また,障害者や有病者など,地域の歯科診療所では実施困難な患者への対応,すなわち地域歯科診療所の後方支援的な機能も担っている.したがって,口腔外科は地域にとって必要不可欠であるのは間違いない.しかし近年,様々な理由から「もう1つの機能」を持った病院歯科が発展しつつある.それは,他科や他職種と積極的に連携する病院歯科である.
具体的には口腔ケアを軸とし,他科患者の全身疾患に対する治療の支援を目的とした病院歯科である.当科は基本的に口腔外科的業務を実施せず,その「もう1つの機能」を主軸に置き,入院患者の歯科治療や口腔ケアを実施するというやや極端な歯科ではあるが,われわれの業務内容等を紹介しつつ,今後の病院歯科のあり方を提言したい.
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