連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・49
「貧困」に向き合うMSWの役割
志賀 雅子
1
1倉敷医療生協 水島協同病院
pp.732-735
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101783
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水島協同病院は,戦後,コンビナートの発展とともに全国各地より労働者が集まり発展した地域にある.筆者は,単身で住み着いた人が多い街のど真ん中にある一般急性期病院(地域に根ざした医療を実践する)のMSWとして,様々な貧困と向き合ってきた.2008年,秋のリーマンショックから始まった経済不況は雇用状況をさらに悪化させ,多くの人が職を失い,社会福祉の現場からも久しく遠のいていた「貧困」という言葉に筆者らは直面することになった.水島地区でも例外ではなく,大手自動車工場では3,000人あまりが雇い止めとなり,関連企業の経営不振も合わせ,かってないほどの不況,生活破綻が地域に拡がっている.この間の野宿者支援への関わり,ならびに医療現場での生活保護申請に関わった事例の2つの実践を通して,今の社会に起こっている貧困の実態を明らかにし,貧困に向き合うMSWの役割について考える
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