特集 病院のサステナビリティ―事業継承を考える
【病院の継承事例:伊藤病院】
甲状腺疾患専門病院の継承
伊藤 公一
1
1伊藤病院
キーワード:
病院継承
,
甲状腺疾患
,
専門病院
Keyword:
病院継承
,
甲状腺疾患
,
専門病院
pp.612-614
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101754
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当院は昭和12年開設の民間病院である.始まりは甲状腺外科医であった祖父・伊藤尹が自ら手術をし,術後管理を行うところの有床診療所であった.当時の開業挨拶文にも「バセドウ氏病及甲状腺疾患の外科及物理療法」と明記され,専門特化に立ち向かう決意を表している.その2年後に病院となり,昭和34年に父・伊藤國彦が,そして平成10年に筆者が院長職を引き継いでいる.このように血縁で3代続く個人病院であり,一貫して甲状腺疾患診療を主力としてきた結果,甲状腺に問題を持ち来院する患者がすべてを占めるまでに至った1,2).
とは言え,昔も今も「専門病院」の明確な基準は存在せず,医療法上「甲状腺疾患専門病院」と標榜することもできない.そこで院内随所に明確な理念(図1)を掲げ,発信し続けている.われわれが心がけていることは,以下の3点に尽きる.①甲状腺疾患診療に専門特化する(守備範囲と適正規模の徹底),②学術的研鑽に努める(学問的好奇心を具体化),③民間病院である利点を活かす(フレキシビリティに富むこと).
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