特集 拡大する医療・介護需要
在宅医療の本質と未来―病院との連携の重要性
太田 秀樹
1,2
1医療法人アスムス
2おやま城北クリニック
キーワード:
在宅医療
,
訪問看護ステーション
,
在宅療養支援診療所
,
がん対策基本法
,
介護保険制度
Keyword:
在宅医療
,
訪問看護ステーション
,
在宅療養支援診療所
,
がん対策基本法
,
介護保険制度
pp.26-30
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101612
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人口が減少するなかで進展する少子高齢社会は,医療・介護・福祉の需要をさらに増大させ,同時に費用は高騰する.そこで,病院中心医療から在宅医療へ大きく舵が切られたが,財政論から在宅医療が推進されるとすれば残念なことである.必要な医療を過不足なく提供するという地域医療のあるべき姿を求めると,医療が提供される場所を問うものではないはずだ.キュアからケアへ,医療のパラダイムが大きくシフトし,医療が介入した妥当性の尺度をQOLに求めるようになると,入院せずして,あるいは居宅型高齢者施設で行われる在宅医療はより意義深いものとなってくる.
確かに,国民は病院での入院医療をありがたく受け入れ,病院医師も在宅で治療を継続する選択肢を持たないことが多いが,在宅医療を実践している医師たちは,在宅医療の質が病院医療に引けをとるものではないと信じている.例えば,認知症を合併するなど虚弱な要介護状態の高齢者にとって,あるいは,人工呼吸器を装着し経管栄養管理の重症小児らにとって,在宅医療と病院医療の質を単純に比較することはできない.
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