連載 医療安全管理の実践・6
医療安全の有効な方策―EBMに基づくAHRQ25方策とコンセンサスに基づくNQF30方策
長谷川 敏彦
1
,
藤澤 由和
1
,
平尾 智広
2
1国立保健医療科学院政策科学部
2香川医科大学医療管理学
pp.872-877
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100705
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医療安全の院内におけるシステムや概念,そして医療事故の実態などについてこれまで述べてきた.そこで今回は,具体的な患者安全の方策についてこれまで議論され,検証されてきたことをまとめたい.
米国の医療の質と安全性をリードする全国的な合意形成グループ,全国質フォーラム(National Quality Forum:NQF)は,本年5月,これまで議論されてきた様々な医療安全方策をNQF内の検討委員会で,有効性や効率性などの観点から検討した結果,極めて重要なセットとして30方策を推奨するに至った.それまでも,例えば米国厚生省質管理庁(Agency for Healthcare Research and Quality:AHRQ)のプロジェクトで,カルフォルニア大学サンフランシスコ校およびスタンフォード大学を中心にした研究チームがEBMの手法を用いた医療安全方策の評価によって,23の有効かつ安全な医療安全方策が推奨していたり,米国の優良大企業が集まって医療の質や安全性について進言をするリープフロッグ(Leapflog)・グループが三つの大きな活動を推奨してきた.また当然米国医師会,米国病院協会,その他の専門団体もその領域における医療安全方策を推奨してきた.
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