連載 医療機関のマーケティング戦略─産科の受療行動からみえるもの・5
医療機関がWeb上で提供する情報内容の変化―医療機関ホームページの2000年・2002年の比較
碇 朋子
1
1静岡県立大学経営情報学部
pp.780-786
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100688
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ホームページという媒体の,医療機関にとっての特殊性
大抵の業種において,消費者に対する情報提供活動は,「広告」と「広報」とに区分されている.「広告」とは,一般に,「特定のスポンサーがいて,それが費用負担する媒体を通して伝えられる,意見・製品,およびサービスなどのプレゼンテーションとプロモーションの形式である」と定義される1).この定義からすれば,医療機関の「広告」もまた,不特定多数に対する宣伝活動などが「広告」と位置づけられ,具体的な媒体としては,電話帳・折込チラシ・コマーシャル・駅看板などが挙げられることとなる.
一方で「広報」とは,「好ましいパブリシティの獲得,優れたイメージの確立,悪い噂の処置・防止,イベントなどによって,組織を取り巻く様々な利害関係集団との良好な関係を構築するための主要なプロモーション手段である」と一般に定義されている1).この定義からすれば,医療機関の「広報」活動とは,例えば平間2) らによると,「医療に関する公共的な内容を一般住民や患者に知らせること」であり,具体的には①マスコミ対応,②緊急事態への対応,③地域活動への参加,④情報の収集,⑤ホスピタル・アイデンティティの展開などということになる.
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