短報
外反母趾に対する理学療法の検討
城戸 智之
1
,
高橋 護
1
,
西森 善一
1
,
中森 智子
1
,
四谷 昌嗣
1
,
石黒 淑子
1
,
野上 弘子
1
1山田温泉病院
pp.623-625
発行日 1988年9月15日
Published Date 1988/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104105
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Ⅰ,初めに
外反母趾とは,第一中足骨が内反し,中足趾節関節で母趾基節骨が外反する変形であり,慢性関節リウマチ(以下,RAと略す.)に限らず,変形性膝関節症(以下,膝OAと略す.)や脳卒中(以下,CVAと略す.)でもたびたびみられ,そのアライメントのずれは,母趾球筋群および足底筋群の作用を低下させ,かつ疼痛を伴う場合は歩行の阻害因子となる.
外反母趾の原因として,靴による過度な圧迫や摩擦が考えられていたが,現在では第一中足骨のバニオン,母趾内外転筋の異常など他の原因が取り上げられている.
実際,臨床場面でも,足部内側縦アーチの減少や膝関節部の痛みを伴うなど,膝や足部の機能的変化との関連性を無視できないことがある.
今回われわれは,外反母趾の理学療法プログラムの在りかたについて模索する手がかりを得る目的で,CVA,膝OA,RAにおける外反母趾を検査し,各機能との相関を検討した.
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