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はじめに
Physical Therapyは,1984年1月号から雑誌のスタイルを大幅に変更して登場した.雑誌全体のサイズは,従来のB-5版からA-4版となり,紙質もより上質なものを使用している.その結果,図表や写真も大きく印刷され非常に見易くなったと同時に,掲載されている論文内容にも充実の跡が見受けられる.雑誌表紙には掲載論文中から図を引用して,イラスト代わりにしているのもユニークなアイデアで面白い.Physical Therapyの編集委員長であるLister,M.J.はEditor's noteの冒頭でProgress!と叫んでいるが,文字通り,この雑誌が果す責任に対する編集者の意気込みが感じとれるようである.現在,世界の多くの理学療法関係雑誌の中にあって,Physical Therapyがその学術専門雑誌としての模範となっており,また,理学療法の世界的動向を知る上においても,欠くことの出来ない雑誌であると言えよう.
スタイルの大幅な変更に伴って,4月号からは,雑誌掲載内容についても若干の手が加えられたようである.論文の区分は従来の研究,臨床,教育,管理の4分野で構成されており,全く変更はみられないが,部門別の新しい区分としてcomputor communicationと呼ばれる部門が設定された.ここでは毎号,コンピュータを利用した評価方法の開発等に関するミニ研究報告が発表されている.
さて,これまで述べてきた体裁上の刷新に伴って,内容もより一層充実されたと言えるが,1984年1月号から12月号に誌上発表された論文数は112編である.これらの全てをここでまとめることは到底筆者の力の及ぶところではないので,この1年間に掲載された客員論文(invited paper)4編と12月号の特集が最近の米国における理学療法領域の臨床的課題や研究動向を知る上での参考になると思われるためこれらの論文を紹介し,筆者なりのまとめを試みたい.
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