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特集 整形外科
よく見られるスポーツ損傷―傾向と予防に関する助言
Outline and Prevention of Common Sports Injuries
武藤 芳照
1
,
江 啓一
2
Yoshiteru MUTOH
1
,
Ko Keiichi
2
1東京大学教育学部体育学健康教育学科
2東京厚生年金病院
1Lab. of Exercise Physiology, Biomechanics and Sports Medicine, Faculty of Education, University of Tokyo.
2Tokyo Kosei-nenkin Hospital.
pp.743-747
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102963
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Ⅰ.スポーツ損傷(外傷と障害)の定義
本稿では,スポーツ損傷の呼称でスポーツによるケガと故障の問題を総称する.これには,スポーツ外傷とスポーツ障害の両者を含む.スポーツ外傷は,スポーツによって起こる損傷の内,1回あるいは数回の外力あるいは内的作用力によって生じた発生原因の明らかなものをいう.捻挫,突き指,骨折,脱臼,創傷,膝内障,脳震盪,頸髄損傷などが含まれる.
一方,スポーツ障害は,スポーツトレーニングを継続することにより,軽度な外力が反復作用することによって生じた発生原因の不明確なものをいう.長期間のスポーツトレーニングの継続により起こる身体変化の内,好ましい影響を与えるものをスポーツ順応あるいはスポーツ効果というのに対して,スポーツ障害は悪い影響を与えるものあるいは好ましくない変化ということもできる.これには,野球肩,野球肘,テニス肘,槍投肘,離断性骨軟骨炎,疲労骨折,腰痛症,脊椎分離症,腱鞘炎,アキレス腱周囲炎などが含まれる.
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