本の紹介／「Readings in Physiological Psychology Neurophysiology Sensory Processes」Charles G. Gross & H. Philip Zeigler／「自閉症 文明社会への動物行動学的アプローチ（Early Childhood Autism―An Ethological Approach―）」―E.A. Tinbergen／N. Tinbergen著・田口恒夫訳編

　リハビリテーション医学の分野で仕事をしていろ者にとって，患者の“心理”を把握しておく必要性は誰もが認めるところである．しかし，“心理的アプローチ”うんぬんという言葉をよくきくことがあるが，その言葉が空に消えてしまいそうなのは，やほり具体性に欠けているからではないか．臨床心理学の分野が立ちおくれている日本の医療界の中で，その穴うめをしていくことも我々に課せられていることの1つではなかろうか．

　近年，Physiological Psychologyの文献が増えている．これは，神経生理学の研究が進むにつれ，人間の心理，行動，知覚などを神経生理学的観点から解明しようとする研究が盛んになってきたからであろう．