特集 めまい—問診から治療まで
II.基礎的知識
めまいの解剖
伴 忠康
1,2
1兵庫医科大学
2大阪大学
pp.707-717
発行日 1986年10月20日
Published Date 1986/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210188
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
序論
内耳の失調によってめまいが起こることは,古くから知られた事実である。上側頭回の聴覚領を電気刺激するとめまいや耳鳴りが現われることや,前頭葉眼領野または後頭葉にある18および19領野を電気刺激して眼球の協調運動が頻発することなどはよく知られた現象であるが,これらの場合に自律神経系の異常症候群が伴うことも周知の事実である。
めまいには一般に平衡障害が伴うのであるが,本論文ではめまいに付随して現われる眼振を中心に,錐体路系,錐体外路系さらに自律神経系などの異常をそれぞれの立場から脳幹を中心に分析することにした。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.