鏡下咡語
私の行っている耳鳴の心理療法—イラストを利用した心理療法および耳鳴友の会について
三好 保
pp.190-191
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210101
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耳鳴は耳鼻咽喉科を訪れる患者の多くが訴える症状でありながら有効な治療法がなく,耳鼻咽喉科専門医としても取扱いに困惑することが多い。しかも耳鳴を訴える患者には背景に心理的葛藤の存在が窺えることが多く,その方面の対策も必要であることはいうまでもない。しかし短時間に多くの患者を診療しなければならない耳鼻咽喉科外来において患者の心理的解析に多くの時間を割くことは不可能であり,またこれは耳鼻咽喉科医にとって専門外の領域である。耳鳴に対する心理療法として従来より説得療法が行われてきた。このような説得療法は外来で手軽に用いることができ,しかもある程度の効果が期待できることから広く用いられている。しかし説得は必ず成功するとは限らない。その理由として説得を受ける側の受取り方や感情に左右されるからである。
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