目でみる耳鼻咽喉科
頬部に発生した石灰化上皮腫calcifying epithelioma
後藤 治典
1
,
武田 哲男
1
,
馬場 廣太郎
1
,
古内 一郎
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.268-269
発行日 1985年4月20日
Published Date 1985/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209939
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石灰化上皮腫は1880年にMalherbeらによって初めて報告された良性腫瘍である。それ以来かなりの報告例があるが,この疾患は主に皮膚科,外科領域で取り扱われるためか耳鼻科医による報告は少ない。
この腫瘍の特徴は一般に単発性で性差はないが20歳以下の若年者に多い。好発部純は顔面,頸部,上肢などであるが腫瘍は平均1〜2年の経過で増大し,そのほとんどが小指頭大までの大きさで正常皮膚におおわれた皮下組織に存在する。表面に暗赤色の毛細血管拡張をみることもある。発生起源についてはさまざまな説があるが,毛組織由来説が主流で名称としてForbis(1960)のpilomatrixomaを用いることもある。
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