特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
IV.音声
パラトグラフ
比企 静雄
1
Shizuo Hiki
1
1東北大学電気通信研究所
pp.797-803
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209326
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I.舌と口蓋の接触状態の観測
パラトグラフィ(palatgraophy)は,調音のための舌の動きを,舌と口蓋の接触の状態を通して観測する手法であり,プラスチック製の薄い人工口蓋(artificial palate)に多数の小さい電極を付けて,舌と口蓋の接触を電気的に検出し,口蓋上での舌の接触のパタン(パラトグラム,palatogram)を,2次元図形的に表示し記録する.この人工口蓋と検出・表示・記録装置を合せた全体を,パラトグラフ(palatograph)と呼ぶ.
この方法で観測されるのは,舌が口蓋に接触する場合だけであるが,声道の狭めの形状は音声の音響分析的な特徴を支配する重要な要因であるから,この意味で,調音運動についての重要な情報が得られる。
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