特集 耳鼻咽喉科と感染症
序
編集委員
pp.711
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209137
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医学の著しい発展を可能にした最も大きな要因の一つは抗生物質の発見と開発であった。抗生物質の背景のもとで開発された手術方法は耳鼻咽喉科領域でも少なくない。また,習慣性アンギーナや急性扁桃炎でのβ溶連菌の減少傾向,副鼻腔炎の変貌などは抗生物質の発展・普及に関連するだろう。しかし,滲出性中耳カタルの増加も抗生物質と無縁でない。
それぞれの抗生物質が感染症の治療に有効性を発揮した反面,またそれぞれの副作用を生んだ。アミノ配糖体系のごとく,欠くことのできない抗生物質として発展する可能性をもちながら,不可逆的な聴器毒としての側面をもつものもある。
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