鏡下耳語
耳鼻咽喉科と社会医療—その1.耳鼻咽喉科と社会保険制度
北嶋 俊之
1
1日耳鼻学会社療委員会
pp.140-141
発行日 1973年2月20日
Published Date 1973/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207889
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この小文が読者の眼に触れる頃は,恐らく48年を迎えているであろう。したがつて去る9月20日8カ月ぶりに再開された"中医協"継続審議の場で,「47年2月改訂の歪是正を目的とする医療費緊急改正」を繞つての論議が展開されていると思う―47年9月実施の薬価調査結果は,48年3月頃集計完了の見込みで,当然「薬価基準」引下げの議題が表面化する筈である―。
さて明治期の新興日本が,国づくりの一環として設けたのは,富国強兵政策のもとに国軍幹部養成を目的とする陸士・海兵と,役人・技術者・医師養成の為,東京医学校(大学東校の改称)と東京開成学校(法・理・文学科)を合併した東京大学でつた。才能と資力に恵まれた者は後者の道を選び,才能がありながら経済の許さぬ青年の多くは前者か,あるいは義務教育制実施に伴う新設師範学校へ進み,教員を志す傾向が強かつたといわれる。
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