特集 最近の顔面神経障害の基礎と臨床
Hunt症候群:病因と治療
簑和田 寛子
1
1京都桂病院耳鼻咽喉科
pp.779-787
発行日 1971年10月20日
Published Date 1971/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207696
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I.はじめに
Hunt症候群は,それほど頻発する疾患とはいい難いが,日常診療に際して,発病当初および来診までの経過を仔細に問診し,診断に注意を払えばかなりの例が摘発される。たとえば京大耳鼻科においては第1表に示すごとく,顔神麻痺例総数に対して10%余の本症候群を認めている。
他の症候群と同様に本症にも各種の不全型が多い。また症例ごとの臨床像は区々であり,各症状の発現時期と順列も一様でないばかりでなく,種種の組み合せがみられるので見おとし易く,またこのことが,従来各様の呼称の由来となつており(第2表),とくに耳科領域では,Herpes zosteroticusなる名称が長く用いられたが,現在本症はHunt症候群と称する向きが圧倒的に多い。
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