鏡下耳語
耳鼻咽喉科40年の春
後藤 敏郎
1
1長崎大学
pp.64-65
発行日 1968年1月20日
Published Date 1968/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203902
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私が耳鼻咽喉科の教室に入つた当時(1930)にはUffenordのStirnhöhlenoperation 40年とか,誰かの中耳Radikaloperation 40年とかいつた論文が出ていて,それを読んで40年の生活と経験に基づいている一種の重さに深い感慨をおぼえたものであつた。研究生活者の活動期間は年齢的にみて40年というのが一般的なtime limitになるのではあるまいか。私も40年にはまだ少し足りないが,このような題目を借りて,耳鼻咽喉科学についての私の考え方の推移を述べてみたい。
私が耳鼻咽喉科を学ぶようになつて,耳鼻咽喉科学そのものに感じた頼りなさといつたような問題が一つあつた。ここではそのことについて述べることとする。
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