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脈無し病の症例
高橋 広胖
1
,
古川 龍三
1
1山口県立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.417-419
発行日 1952年9月20日
Published Date 1952/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200752
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緒言
脈無し病とは清水健太郞教授が創めて昭和23年に詳細な観察及び実験の結果,本症に付した病名で,従来高安氏病として眼科及び外科領域に於て稀に報告例があつたものである。
清水教授は本病の主症状として,次の3症状を挙げている。即ちⅠ,脈搏が触れないこと。Ⅱ,特有な眼症状。Ⅲ,頸動脈洞反射亢進の3者である。これらは鎖骨下動脈又は頸動脈の血管閉塞に因り惹起せられるのであるから,当然吾が耳鼻咽喉科領域にも何等かの病的所見が表われるのではないかと考えられる。併し吾科領域に於ては未だ詳細な報告を見ない。吾々は最近脈無し病の1例を経験し諸検査を実施し得たので報告する。
TAKAHASHI AND FURUKAWA report a c-ase of 'pulseless diseasn', which is known in this country as Takayasu's Disease and charact-erized by presence of symptom complex in tri-ads, i.e., (1) absence of the pulse at the wrist, (2) vascular changes in the eye grounds, and (3) increased carotid sinus reflex.
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