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緒言
気導聽力検査に際し伝音系聽力障碍は主として低音域に,感音系聽力障碍は主として高音域に聽力の低下があらわれるという古典学読は最近音叉に代つてオーヂオメーターを使用する樣になり再検討の必要がとなえられている.此処で注意すべきは,此問題を取扱う場合の基礎的事項である聽型の判定が全く直観的に行われているという事である.勿論直観的判定により誤りを来さぬ例もあるが,複雑な変化を示す聽力図であつて直観的判断の危険な例も少くない従来聽型の分類法として色々あるが,それらをまとめてみると中耳型(上行型,低調音障碍型),内耳型(下行型,高調音障碍型),混合型(水平型),凹型(谷型),凸型(山型)に分類するのが一般的のようである.そして聽力検査の結果得られた聽力図を此等の型に分類しようとする時,型の判定に苦しむ例が少からず,亦統計的観察に於て各疾患別の型が2型以上を含む場合その有意性が問題であり,更には同じ型であつてもその型の程度即ち定性のみならず定量的な方面の考慮が必要である.私はかゝる点を解決するための第1段階として聽型判定の1方法を考え,応用例として最近の症例を其の方法にて分類し,いささかの考按を加え諸賢の御批判と御教示を仰ぐ次第である.
INOUYE states that, instead of relying upon impressions of the examiner in making diagnosis of types of hearing defects, the middle, the inner and the mixed, as it has been in the past, he has derived a formula,
b=〔XY〕-nxy/〔XX〕-nx-2, which might be used as basis of comparison with the results of the tuning fork examination. In this way different clinical diagnosis may be compared with each other.
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