Japanese
English
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腹部腫瘤を主訴とせる巨大重複腎盂・尿管の1例
A CASE OF GIANT DOUBLE PELVIS AND URETER WITH A CHIEF COMPLAINT OF ABDOMINAL TUMOR
高井 修道
1
,
辺見 泉
1
,
安達 徹
1
,
扇本 全
1
Shudo TAKAI
1
,
Izumi HEMMI
1
,
Toru ADACHL
1
,
Sono OGIMOTO
1
1札幌医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Sapporo Medical College
pp.1019-1022
発行日 1966年9月1日
Published Date 1966/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204471
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I.緒 言
重複尿管は一般に無症状に経過するが,合併症をともなう場合はその種類に応じて種々の症状を呈してくる。Payne (1959)は重複尿管141例中,側腹部又は腰部の疼痛28例,膿尿その他の感染症14例,血尿5例,発熱4例等を認め,その臨床症状を現わす頻度は低くはないことを報告している。更に本症に於いては他の尿路畸形の合併もしばしばみとみられ,特に異常開口を合併している例は文献的にも珍らしくはない。一般に女子に於ける異常開口の場合には特有な尿失禁によりその発見は比較的容易とされているが,異常開口部の高度の狭窄により尿失禁がみとめられない場合も稀にあり,かかる症例に於いては尿管異常開口を想像し得ない種々の臨床症状を呈してくる場合がある。われわれは最近腹部腫瘤を主訴とした尿管異常開口をともなう重複腎盂兼完全重複尿管の1例(Thom Ⅲ型)を経験したので,ここに報告し,若干の文献的考察をつけ加えてみたいと思う。
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