Balanitis xerotica obliteransの治験例

A CASE OF BALANITIS XEROTICA OBLITERANS

I．緒　言

　本疾患は1928年Stühmerが5例を報告した事に始まる。彼は包茎手術後数ヵ月から数年の内に亀頭包皮炎を起こし，亀頭，包皮の萎縮現象を表わして遂に外尿道口部に狭窄，或は閉塞を生じたものを指してこれをBalanitis xerotica obliterans postoperationem（Stühmer）と命名して臨床的に一疾患として発表した。その後Sprafke（1930），Frühwald（1931）が報告しており現在まで文献上100余例に達しているが，報告者により原因及び発生，臨床的及び病理組織学的のいずれに重点を置くかにより類似疾患との異同について意見が一致していないが著者等は最近広大泌尿器科で26歳の男子に於いて本疾患と考えられる1例を経験したので若干の考察，治療法を述べる。