Japanese
English
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トリコチロマニーの9例について—抜毛性脱毛症の提称
NINE CASES OF TRICHOTILLOMANIA ; A PROPOSAL OF A NEW TERM, ALOPECIA EPILATA
藤田 恵一
1
,
柳田 英夫
1
Keiichi FUJITA
1
,
Hideo YANAGIDA
1
1自衛隊中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, JSDF Central Hospital
pp.965-969
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203894
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I.まえがき
自己の手で毛髪を抜去し,そのために脱毛巣を発生することは,精神病患者には時々認められる現象であり,殊に長期に亘る精神分裂病患者などでは誠に美事な脱毛巣を作り上げるものがある。精神科方面ではこのような脱毛症は古くから知られているにも拘らず,特にこの症状を取り挙げて名称をつけることはなかつたようである。
Hallopeau (1889)1)は外見正常な健康人が,異常な観念の下に自己の毛髪を抜去する行為を,1つの独立した疾患と見做してTrichotillomaniaと命名し,以来類似の症例が多数報告されているが,その多くは抜毛の症状が著しいため,精神障害の有無が問題とされ,従つて成書にも本症は精神異常者あるいはヒステリーに多いと記載されている。
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