Japanese
English
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石灰化表皮腫の3例について
THREE CASES OF CALCIFYING EPITHELIOMA
堀 宏行
1
Hiroyuki HORI
1
1順天堂大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Juntendo University
pp.129-131
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203698
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I.はじめに
石灰化表皮腫は,1858年Wilkens11)が始めて報告した後,1881年にはMalherbeおよびChe—nantais7)が再びこれを詳しく観察記載した。以来かなり多数の報告例があるが,一方我が国においても明治44年肥田および佐藤の報告を始めとし,その後ほぼ数10例の症例が記載されている8)。石灰化表皮腫は真皮と皮下組織の間,あるいは皮下組織中に生ずる良性の腫瘍であるが,組織学的にはそれを構成する実質は,特徴のあるすでに変性した表皮細胞(shadow cell)と,なお生育を続けていると思われるヘマトキシリン濃染性の表皮細胞(basophilic cell)とから主としてなつており,さらにそこに石灰沈着あるいは時に骨形成等の変化がこれに加わる。しかし,その成り立ち方については全く不明と言つてもよい。最近著者は本症の3例を観察したので,ここに報告する。
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