Japanese
English
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稀有な陰嚢畸型の1例
A RARE CASE OF MALFORMATION OF SCROTUM
伊藤 巌
1
Iwao ITO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚泌尿器科教室
1Department of Urology, School of Medicine, Keio University
pp.537-540
発行日 1960年6月1日
Published Date 1960/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202841
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I.緒言
停留睾丸は必らずしも稀なものではないが,その発生頻度についてはDeming,Johnsonをはじめ諸家の報告があるが非常に相違している。停留睾丸についての見解,検診年齢等によつて斯の如き数値の差異を来たしたものと考える。一応Scorerの見解に従い,生後1年にしてなお陰嚢内に睾丸が降下していないものを以て停留睾丸と見做せば,その頻度は概ね0.5%前後となり,長ずるに従いその数値も減少して20歳以上では0.2%位になるようである。
私はこのたび片側停留睾丸が奇妙な経過,即ち陰嚢分割というかたちをとって自然治癒したと思われる1例に遭遇し,かつ諸検査の結果,他の泌尿器系統にも興味ある畸型を発見したのでここに報告する。
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