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特集 婦人の皮膚泌尿器科疾患
婦人の尿路感染症
FEMALE URINARY TRACT INFECTION
水野 重光
1
Shigemitsu MIZUNO
1
1順天堂大学産婦人科
1Department of Obstatrics and Gynecology. School of Medicine, Juntendo University,
pp.1133-1140
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202665
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まえがき
婦人は性器および泌尿器の解剖的並びに機能的特徴により,男子に比して尿路感染症に罹患する頻度は遙かに高く,殆んどいずれの文献によつても男子の2倍以上を占めているのが普通で,5ないし9倍の高率を示しているものもある。従つて産婦人科領域においては,化学療法の発達した今日においても,尿路感染症は原発性に,或いは手術後,放射線療法中,産褥期等に合併症としてしばしば遭遇し,性器並びにこれに関連する臓器・組織感染症の中重要な位置を占めている。しかも日常慣用される抗生物質やサルフア剤の投与は本症起因菌の種類および薬剤に対する感受性に影響を及ぼし,しばしば治療に抵抗する難治性細菌による尿路感染症にも遭遇するようになつた。
我々は当産婦人科教室外来を訪れた患者および入院患者中,結核性のものを除き,主として急性ないし亜急性の症状を呈する本症について,起因菌の分類,抗生物質やサルフア剤に対する感受性,化学療法剤の臨床効果等を究明し,本症治療薬剤選択の問題を検討したので,その概略を述べ,婦人における尿路感染症の特殊性を示したいと思う。
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