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特集 婦人の皮膚泌尿器科疾患
女子深在性紫斑
ON THE PURPURA PROFUNDA.
小嶋 理一
1
Riichi KOJIMA
1
1三楽病院皮膚科
1Sanraku-Hosp.
pp.1009-1012
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202651
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皮膚原発疹の一つとして紫斑をとりあげてみると,血液そのものの組成の変動が紫斑の原因である場合もあるが,血液学的に変化をみないで,血管壁に異常があると想像される紫斑が数症挙げられている。ここで述べる深在性紫斑も血管性紫斑の一つと考えられるもので,臨床所見に於いて,従来我々が診ている紫斑とは多少趣を異にしているので敢えて述べてみる。
深在性紫斑の歴史:この様な型の紫斑はそう稀らしくはないと思われるが,特有性を主張されたのはそう古いものではないらしい。第12回関東北連合地方会(昭和22年10月19日)に私は小沢と共に深在性紫斑として,33齢の女子に診た一種特有な紫斑を報告した。翌昭和23年2月第282回東京地方会に於いて,小堀・池永は再発性深在性紫斑として述べ,次いで昭和26年には「日本臨床」第9巻に原著として発表している。昭和27年横山・宗は第51回日本皮膚科学会席上で,Davis単純性紫斑として数例を挙げ,翌,昭和28年には臨床の皮膚科泌尿器科第7巻,10号に女子深在性紫斑付,Davis単純性紫斑として記載し,女子深在性紫斑とDavis紫斑との異同を論じ,今後の研索によつて,両症が同一なりや否やを決めるべきであると述べている。
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