Japanese
English
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発育不全腎に伴える尿管膀胱外開口症例
A CASE OF ECTOPIC URETERAL OPENING COMPLICATED WITH HYPOPASTIC KIDNEY
山際 義秀
1
,
富樫 良吉
1
Yoshihide YAMAGIWA
1
,
Ryokichi TOGASHI
1
1青森県立中央病院泌尿器科
1Department of Urology Aomori Prefectural Hospital
pp.265-267
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202506
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発育不全腎は腎奇形としては左程まれなものではない。本邦では山極の剖検例以来,漸次その報告例を増し,土屋,小林により最初の綜説が述べられ,その後伊藤,松浦,斉藤等(1956)によつてそれぞれ統計的観察が行われている。又尿管の開口異常については高橋,市川の報告につづいて志田,中野等によつて論ぜられ,現在まで略々70例を越える報告がなされている。
発育不全腎は他の泌尿器奇形,乃至は他臓器の奇形を伴うこと多く,斉藤等によれば44例中全く奇形を伴わないものは3例に過ぎず,他は何らかの奇形を伴つて居り而もその14例に尿管の膀胱外開口を認め,中13例は女子の膣開口例であつたと述べている。発育不全腎の報告は斉藤等の文献集蒐後も17例報告され,中村山,長谷川,城戸,津田は尿管の膣開口例をそれぞれ報告している。吾吾も亦尿失禁を主訴とした少女に,発育不全腎に伴つた尿管隆開口例を経験したので先人の症例に追加報告する。
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