Japanese
English
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細菌性,糜爛性,潰瘍性皮膚疾患にたいするエマホルムの治験
THERAPY BY "EMAFORM" TO INFECTIOUS, EROSIVE OR ULCEROUS DERMATOSIS"
利谷 昭治
1
Syoji Toshitani
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Dermatological Department, Faculty of Medicine, Kyusyu University
pp.299-303
発行日 1958年3月1日
Published Date 1958/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202217
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はしがき
従来,化学療法については抗生物質療法の余りにも華々しい登場とともにヨードホルムの使用は漸く忘れ去られようとしているが,古くヨードホルムは難治性潰瘍ことに結核性潰瘍にたいしては特効薬として用いられ,外科領域では術後創面に撒布してDesinfectionとガーゼ固着を防ぐ目的に使用され,ホルムガーゼはタンポンとして最も活躍した薬剤であつた。皮膚科領域でも潰瘍性疾患に使用され,とくに軟下疳の潰瘍にはこれも特効薬として使用されていたのは周知の事実である。
しかしながらヨードホルムはその不快な臭気と,軽度の刺激性もあつて,これに代る薬剤の出現が待たれていた。Chinoformは殺菌,防腐作用を有し,かすかに臭いがあるのみで,ヨードホルムよりも優秀な薬剤と考えられ,このChinoformの水不溶性という欠点を補うために,田辺製薬では,界面活性剤Carboxy-celluloseを加えたエマホルム(乳化キノホルム)を作製し,腸内,外用殺菌防腐剤とした。われわれは本剤を細菌性あるいは糜爛,潰瘍性皮膚疾患に応用する機会をえたので,その成績を報告したいと思う。
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