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新合成副腎皮質ホルモンPrednisone及びPrednisoloneの皮膚疾患に対する治験成績
佐野 栄春
1
,
堀金 登世
1
,
松浦 滋
1
,
上田 氏典
1
,
森下 琢郎
1
1神戸医科大学皮膚科泌尿器科教室
pp.809-813
発行日 1956年11月1日
Published Date 1956/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201812
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コーチゾン・ハイドロコーチゾン等の副腎皮質ホルモン及びACTHが治療界にに登場して既にに数年を経,作用機序もほゞ明らかとなり適応症も確定されている。皮膚科領域に於ても,内外多数の報告により卓越した治癒効果が認められ,今や全く実用期に入つた感がある。
しかし周知の通り,これらホルモンはCurativeでなく,あくまでもmorbidistaticなもので,その上過度に投与すると満月様顔貌,多毛症,痤瘡の発生,心不全,浮腫,精神障碍等の副作用を来すことより,その適応域及び使用量には一定の限度がある。一方Glucocorticoid作用をより強化すると共にMineralcorticoid作用を減弱するよう絶えざる研究がなされて来て,こゝにPrednisone及びPrednisoloneが合成されるに到つた。既に之ら新合成副腎皮質ホルモンによる皮膚疾患の治験例は我が国に於いても山本,樋口,加納等の報告があるが,我々も最近塩野義製薬よりメチコルテン(Prednisone)及びプレドニン(Prednisolone)の提供をうけ,2,3皮膚疾患に使用したので,その成績の大要を報告したい。
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