--------------------
腎臟癌の3例—特に化骨化石灰巣を伴つた乳頭状癌腫の1例
北川 淏
1
,
陳 泮水
1
1日本医科大学泌尿器科教室
pp.189-194
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201394
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腎盂に原発する上皮性腫瘍は比較的稀にして1840年Rayerが良性乳頭腫及び原発性腎盂癌の各1例を報告して以来,諸家により報告せられた。殊に腎盂扁平上皮癌は1934年Gilbert und MacMillianが世界文献より55例を蒐集し,1945年Gahagan and Reedは自験例3例を加え106例を報告し,1951年Oberkircher,Staubitz and Blickは15例を追加している。1952年Youngblood andKicklighterは80歳の老婦人の1例を報告している。本邦に於ても明治40年内藤の報告以来,西,井上,中本・宇多,中川,干葉等の報告があつて今日迄14例を集める事が出来た。此の中で乳頭腫より変性した扁平上皮癌は外国に於てDouglass,Poll, Busse, Scheel等の報告があり,我が国に於ては組織学的に記載の明かなものは森(巽),竹内・王,佐藤(陸)の3例を数えるに過ぎない。当教室に於ても最近3例を経験したので報告する。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.