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テオハルン結石に依る無尿症の1例
中野 富夫
1
,
麻田 恭三
2
1大阪北野病院 皮膚泌尿器科
2大阪北野病院 内科
pp.481-483
発行日 1954年8月1日
Published Date 1954/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201254
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緒言
利尿剤テオハルンは化学式1-3−5—トリアミノトリアチンなる尿素系製剤で,1943年Lipschitz,Hadidian等が約70種に及ぶアミド並びにアミン類,尿素ピリミジン,ブリン等の誘導体に就いてその利尿作用を検索した結果,本剤に極めて強力なる利尿作用を認めた。爾来臨床治療にも多数使用され,ジギタリス,安息香酸ソーダカフェイン等の無効であつた浮腫及び腹水等にも比較的良い効果が認められ,且副作用は大量投与しても殆んど無いとされ,僅かに悪心,食慾減退等の消化器障害をあげているに過ぎない。しかるに余等は最近慢性ネフローゼの患者にテオハルンを長期間使用したために,両側腎,輸尿管結石を来たし,ために無尿症の状態に陥つた1症例を経験したので茲に報告する。
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