泌尿器科圖譜・23・24
非融合性交叉性腎變位/交叉性腎變位兼1側上部尿路の發育不全
楠 隆光
1
,
增田 正和
1
,
高野 成夫
1
,
武田 正雄
1
1新潟大學泌尿器科教室
pp.579-580
発行日 1953年10月1日
Published Date 1953/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201049
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19歳の女子。昭和26年6月に右下腹部に限局した持續性の不快感,腰痛及び下痢を訴えた。昭和27年10月又同樣の症状を見たので國立高田病院内科を訪れた時に,始めて右下腹部に腫瘤のあるのを發見された。尿溷濁,頻尿及び排尿痛等は全くなかつた。Pneumoretroperitoneumに逆行性腎盂レ線撮影法を併用して,左腎が右腎の下方に移行している交叉性腎變位である事が判明した。即ち,普通の左腎部には全く腎陰影を認めないのに反して,右側には正常の右腎像の下に今1つの腎像がある。腎盂像は上方の右側のものは全く正常であるが,下方のものは外方に向つてから尿管に移行し,それが正中線を通つて左側に走つている。昭和28年1月27日手術の結果,非融合性交叉腎變位である事が判明し,下腎を除去した。
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