泌尿器科圖講・7・8
骨盤斑(石灰化リンパ節)/尿管カテーテルの腎實質貫通によると考える逆行性腎盂像
岡 直友
1
,
森 晟
1
1名古屋市立大學
pp.452
発行日 1951年10月1日
Published Date 1951/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200595
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骨盤斑(Beckenfleck)はレ線寫眞上で骨盤腔(本來の意味)乃至腰部(廣義に解して)に現れる結石樣の陰影であつて結石と誤認せられる點で問題となるものである。かゝる影像を興えるものとして,靜脈結石,石灰化リンパ節はその代表的のものである。
症例:30歳女子。左腎及膀胱結核。掲出したのは經靜脈性腎盂撮影像であるが,興味を惹くのは,左側尿管の走行に沿つて上下に配列する多數の斑があり(矢印)一見多發性尿管結石の如き觀を呈することである。比等の斑は單純撮影に於ても全く同じに現われた。左腎摘出の際,此等は下行大動脈に沿つて配列し,之と癒着した多數の石灰化リンパ節なることが確められた。
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