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兩側重複腎に生じた兩側腎臓結核の1例
赤坂 俊夫
1
1岩手醫科大學皮膚泌尿器科教室
pp.459-462
発行日 1950年11月1日
Published Date 1950/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200420
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重複腎並に重複尿管はピエログラフイーの發達以來,兩側性或は一側性又は完全或は不完全重複尿管等の區別はあるが,其報告例は漸次増加し,田林教授によれば本邦例は約233例の多数に達している。就中,結核に罹患し易いことは諸家の統計で窺うことが出來,又かかる結核の場合多くは全腎が侵され,上下何れか一つの腎のみが侵害されて,他の腎の健在なることは稀とされている。
尚不完全尿管を有する重複腎に於て,從來屡々注目せられていることは,挿入された尿管カテーテル先端の位置如何に依つて,ピエログラフイー並に探取せるカテーテル尿の所見に相違を來し,ために判定困難のことがあることである。最近余も兩側重複腎で,左側は完全重複尿管,右側は不完全重複尿管を有する者にその左右上方腎に結核性病變を認め,患側判定に當惑した症例を經驗したので,茲に其概略を報告する。
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