おかしな検査データ
血清尿酸値"0"
三浦 吉範
1
,
小田代 律子
1
,
伊藤 忠一
2
1岩手医科大学病院中央臨床検査部
2岩手医科大学中央臨床検査部
pp.947-948
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202169
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我々の検査部では716型自動分析装置(日立)を用いuricase-peroxidase法で尿酸(UA)を測定し始めてから2年になるが,その間ときどき経験されたUA値"0"という"おかしな検査データ"について紹介したい.
最近の4症例のUAを含んだ検査データは表1のごとくである.症例1では尿素N,クレアチニン(CRNN)ともに異常高値であるにもかかわらずUAは"0"である.症例2〜4は尿素N,CRNNは正常範囲内ではあるが,UAの我々の施設での正常値は2〜6mg/dlであり,いずれにしても極めておかしなデータと言わざるを得ない.また症例1の総コレステロール(T-Ch),リン脂質(PL)もβ-リポ蛋白や中性脂肪の値と比較し予想外に低い,症例3及び4のT-Chも不当に低いように思える.
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